2015年04月08日
『物事には、順序というものがあるんです。それが大事なんです。』

昨年の11月末、
『焼畑でしか作ることのできない「余呉の伝統野菜・山カブ」に出逢おう』
というイベントに参加しました。
実際の焼畑を見学し、実際に収穫させて頂いたり、
滋味溢れる山カブのフルコースを堪能させて頂きました。
イベントの初めに、余呉(滋賀県長浜市)で焼畑を60年続ける永井邦太郎さんのお話を伺いました。

焼き畑農業の継承者としては、滋賀県唯一と言われている永井さんの
『想いを貫く強さ』はとても勉強になりました。
そのお話の中で、永井さんはさらっと仰られたのですが、
スゴく心に残った言葉がありました。
『物事には、順序というものがあるんです。それが大事なんです。』
焼畑は、単に山カブを作るためだけにやってるんじゃない。
10年という長いスパンで、養蚕の為の桑の木を育て、
木が古くなって更新のために切り倒して焼畑をし、
すぐに新芽は出て来ないので、カブを栽培し、次の年にエゴマやそばを育て、
次の年にやっと桑の新芽が出てくる…。
そのサイクル、循環が大事で、その過程のひとつが、山カブなんだと。
『焼き畑』=『山カブ』じゃない。
この話を伺った時、
自分も含めて現代人が、物事の一面しか見られていない…
そんな傾向になっているんじゃないかって、ハッとしました。
現代は、結果を求めるあまり、よいとこ取り…おいしいところだけを切り取ったり、
時間を短縮すること・効率化することを良しとしてきました。
私も、そういう事をいっぱいしてきましたが、
正直、そのことによって得られるものの『薄っぺらさ』
を感じることがあります。
これでいいのかな…。
今、世の中のいろんな議論が、そんな傾向にあるような気がします。
それぞれの利害の範ちゅうでしか見られていない。
もっと、本質的なものが見られてないんじゃないか?…
そんな不安を感じます。
少し長い時間軸で見れば、
『現在』は、『過去』があって『未来』に繋がっている。
過去現在未来。
昔のことばかりこだわってちゃいけないし、
今さえ良ければ良いってもんじゃない、
過去現在を無視して未来は語れない。
過去を踏まえて、未来を見据えて、今を生きる。
そんな視座・生き方が大事じゃないかな…。
去年の初冬のことですが、
永井さんの何気ない一言が、今も印象に残ってます。
Posted by レイクサイド・ビジュー at
08:56
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